注文住宅「HOMEPARTY」

IDEA
自分たちが住みたい家をつくりたい
OUTPUT
デザインを追求した、流行りに左右されないブランドをつくりあげる
山上高気/経営戦略本部、牟田口仁志/HOMEPARTY

注文住宅 HOMEPARTY

アネシスの注文住宅部門として2009年にスタート。はじめは手探り状態だったが2012年のモデルハウスOPENをきっかけにコンセプトが固まっていき、時間をかけてブランドとして確立した。近年ではグッドデザイン賞の受賞も。

事業立ち上げの背景や当時のエピソードを教えてください。

牟田口:当時(2010年)は、アネシスの新築は分譲住宅とSxLというブランドしかなく、注文住宅を本格的に始めようとしたことがプロジェクトのスタートでした。営業2人で分譲住宅の延長線上で始めた注文住宅事業だったんですが、当初はなかなか販売状況が芳しくなく、なんとかしようと思っていた時に、当時社長直下で設計を行なっていた山上さんがデザイナーとしてジョインし、そこからやっとブランド立ち上げが始まった感じかな。

山上:その頃のアネシスは他社から「土地や建売で売っている会社」と思われていたので、絶対見返してやろうと、かっこいいデザインを追求した商品ブランドをつくろうって思ってた。ブランドコンセプトの参考になったのは、学生時代に刺激を受けたフォルクスハウス。木の素材を生かした、建てた後もいつまで経っても古くならないロングライフデザインの家で、その考えを取り入れ、流行りに左右されないミニマルでシンプルな家を目指してたんだよね。

牟田口:私からの要望は、素材感を大事にして、無垢材を使ったり、シンプルな家が良いということ。入社当初から「もっといい家を建てたい!」「自分だったらこうするのに」という思いが強く、お客様に提案するなら、自分が本当に欲しいものにしたい、という思いが強くあり、とにかくそれをお願いしました。そしたらめっちゃ良い感じのものがでてきました。2012年に展示場をオープンする時も、本当に自分たちの好きなものを上司の許可を取らずに勝手に置いたりして、すごく怒られました(笑)。

山上:展示場の完成に合わせてロゴをつくって、次第にミニマルデザインになっていった。ホームパーティっていう住宅っぽくないブランド名も良い感じだなとおもった。

牟田口:展示場に合わせて、今のブランドイメージができていった感じがする。山上さんにコンセプトの文章をつくって見せてもらった時に、この人すごいってはじめて尊敬しました(笑)。


社内からの評判はどうでしたか?

牟田口:最初は本当にひどかった(笑)。こんなんじゃ絶対に売れないってボロクソに言われました。山上さんは設計だから何も言われないけど、私は営業だからもっとこうしろああしろっていう声が非常に多かった。当時のアネシスにはない文化やブランドスタンスで、価格も高かったので、最初に売れるまでは大変でした。

山上:職人さんや大工さんからもたくさん怒られたね。普通の家より遥かに手間がかかるし、もうやらないとも言われた。

牟田口:それでも自分たちがやりたいことをやっていたので、大変だけど充実していた。山上さんが作ってくれた資料はすごく納得できるいいものだったけど、それをお客様にわかりやすく伝えることが難しく、説明だけではなかなか伝わらないし、想いをどうやって伝えるかはすごく考えた。これだ!と思うまで2年かかった。その頃他社に8件連続で他決され、お祓いにも行った(笑)。ようやく自分の言葉で伝えられるようになったきたときにできた!と感じるようになった。

山上:当時は寝ているときと食事以外は、納め方どうしたらいいかな、などほぼ24時間ホームパーティのことを考えていた。社内の風向きが変わったのは、展示場がオープンして、モデルハウスの来場数が展示場内で連続で一番を取った時に周りの目が180°変わった。見事な手のひら返し。やっぱり展示場の中でもデザインも異質で、それもよかったのかも。

牟田口:普通の住宅メーカーはモデルハウスに設備など贅沢なものを詰め込んだものになる。うちは真逆で、シンプル。10年前の家だったけど、今でもいける、全然住める家。

山上:とにかく楽しくやって、お客様も一緒に楽しんでくれたって感じかな。頭で考えるというよりも、びびっときましたというお客様が選んでくれた。

これからの2人のホームパーティ像は。

牟田口:もっと楽しいことをしたいって思ってる。けどそれは以前からずっと変わっていないと思う。ただ、もっとよくなるものは常に考えていたい。あとは楽しむこと。今も新しいことを考えているけど、楽しいかどうかが判断基準にはなっていて、そこはぶれないようにしたい。 

山上:やっぱり個性を活かした仕事。商品ではなく、「この人がいるからホームパーティなんだ」という状態にしたい。その都度いる人によってカタチはかわっていっていい。デザインや作法を決めてしまうと、それは将来残っていかないもの。在籍している人が好きにやって良いと思っていて、会社に入って自分らしさがしごとに、形になっていく楽しさを学生に知ってほしい。